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真鶴町は、神奈川県唯一の過疎地域として多くの課題を抱えている反面、東京、横浜などの大都市に近いこと、箱根、小田原、湯河原、熱海などの有名観光地に極めて近いことなど、ビジネスを実施する上での地理的優位性を有している。このような優位性がある中、地域では従来から地域に内在する産業に依存してきたことで、時代の潮流を読んだビジネス組成が進んでいない状況であった。特に町内の岩地域は小さな漁港を中心に、旧来からの水産業を続けており、観光等を優位に利活用したビジネス創出が進められていなかった。

地域では、これらの課題を解決する目的で「真鶴岩牡蠣養殖プロジェクト(以下「プロジェクト」)」を立ち上げた。プロジェクトでは、旧来の定置網等に依存した漁獲型水産業から、地域商社機能を持った地域連携による新たな水産業の発展を目指すことで、若手漁師の離職や地域外への流出を防ぐこととともに、プロジェクトをとおして地域関係者や住民等が連携してプロジェクトの推進を図ることで、物産、観光等を通した交流を促す地域ビジネスモデル構築につなげることを目指している。

具体的な推進の展開としては、養殖、生産、集出荷、需要開拓など事業実施に向けた各種検討を進め、平成30年12月に地域の若手漁師、行政、業界団体などが連携した「真鶴町岩沖岩牡蠣養殖事業推進協議会(以下「協議会」)」を設立するとともに、令和元年には岩地区に出荷施設の建設を進め、令和3年4月からの本格出荷に向けた推進を図っている。

このような新たなビジネスを地域で組成することで、過疎化が進む真鶴町において、地域の若者の外部流出といった課題解決を図るとともに、定着した人材が地域で子を産み育てるための行政戦略を展開していくことで、地域コミュニティーの維持を図るものである。